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卵巣嚢胞手術のメモ

 2020年11月に卵巣嚢胞と診断され、2021年2月に腹腔鏡手術で除去した。そのメモをアップロードしておく。

 なお、ここに記載したのはあくまで私個人のメモであり、正しさや普遍性を保証するものではないことを断っておく。病気に関する正しい情報は医師に相談してください。

○経過

 22際ごろから生理のたびに熱が出るようになり、子宮内膜症と診断されて低容量ピルが出た。それを5年ほど飲み続けていたが、ある日いつもどおり婦人科に行くと突然MRIを撮るように言われ、受けてみたら卵巣嚢胞が写っていた。10センチほどだという。まず間違いなく良性だろうが取ってみないとわからない、自然によくなることはない、と言われたので、手術を受けることにした。

○準備

 病院から必要と言われたものを買い揃える。

・T字帯:手術・出産用の下着。他人が脱ぎ着させやすいようになっている。病院の売店で買った。

・下着:臍と下腹部に傷ができるのでそこにかからないもの。無印で数枚買い足した。無印のコットンの下着はすごく着心地がよい。

・室内ばき:かかとがあるものにせよとのこと。ユニクロでふかふかのを買った。在宅勤務にもよい。

・シャンプー・リンス等:100均で詰め替え容器を買う。ゼリー飲料の袋を小さくしたような形のものが便利。キャンドゥで買った。ちなみに5日間の入院で手術前後で1回ずつシャワーを浴びられた。

・ペットボトルストロー:寝転がった状態でも水が飲めるようにするもの。しかし、持参した水のペットボトルと規格が合わずほぼ使えなかった。あらかじめつけてみるべき。

・パジャマ:2組持っていったが5日間のうち2日は手術着で過ごしたため1組でよかった。発熱するので薄手のものに羽織りものがあると調節できてよい。

・マスク:なるべくつけていてほしいとのこと。ベッドでは外しておき、看護師さんほか人が来たら付ける。

○手術前日

 暖かい日で、病院まで歩いてきたら汗だくになり体温チェックにひっかかる。水を飲み、外で涼んで、なんとかOK。同じようにチェックにひっかかっている人がもう一人いる。

 採血、CT、入院生活のオリエンテーション、下剤、麻酔医からの説明、薬剤師からの説明、臍をきれいにする、シャワー。夕方になって執刀医の先生が挨拶に来たが次々色んな人に会ったので一瞬誰か分からず、最後の5秒くらいで気づいて「よろしくお願いします」と頭をしっかり下げる。

 節分だったので夕食に太巻と炒り豆が出る。4人部屋だがほぼ完全にカーテンが閉まっておりほとんど顔を合わせない(短期入院だからなのかコロナ禍下だからなのかはよく分からない)。同室の人がいびきをかいていたので耳栓をして寝る。

○当日

 点滴というものを初めてする。以前献血で「すごくいい血管」と言われてから密かに自分の血管に自信を持っていたのだが、「あれ、すみません……右手で試していいですか……」とやり直しになりショック。

 12:30手術開始。「麻酔入りますよー」と言われると同時に意識を失う。14時半ごろに目を覚ました。家族に連絡したいのだが、恐ろしく眠く、腹の傷が痛く、身動きが取れない。18時ごろやっと看護師さんに声をかけて携帯を取ってもらうが、とにかく眠くて入力がままならない。変なスタンプを打ってしまう。眠たいのに痛みで眠りきれず、ずっとこのままなのか?という恐怖がある。消灯のころに少しだけ寝返りが打てるようになり、やっとまともに眠る。

○翌日〜退院

 翌朝はまだものすごく眠く、起きられない。母にラインで「めちゃくちゃ眠い」と言ったら「手負いの獣??」と返ってきてウケる。9時ごろ立ち上がらせてもらうが、本当に立つのでせいいっぱい。痛み止めを追加してもらったあと2度目のチャレンジで歩けるようになり、尿の管も抜ける(抜くの痛いかな?と思ったけどそこまでではなかった)。お昼頃から余裕が出てきて気軽に起き上がるが、か、肩が痛い!!腹より肩が!!「うぐううううっっ」と思わず声が出る痛さ。手術中腹にガス?を入れて?膨らませて?やるんだけどそれが抜ける時?に肩?が痛くなるらしい。よく分からない。熱も結構出ている。本を読み、病室備え付けのiPadを見て過ごす。先生がやってきて軽く説明を受ける。詳しくは退院後の診察の時に話すとのこと、病理診断がまだついていないためと思われる。

 翌々日にはシャワーも浴びられる。微妙な前傾姿勢でしか歩けないが、まあなんとかなる。臍ほかの傷口には透明なテープのようなものが貼ってありよく見えない。

 3日目に退院。テープを剥がしてもらい、「もうしっかりくっついてますよ!」と言われる。親に車で迎えに来てもらう。体力が落ちていて、着替えたり車に乗ったりするだけでかなり疲れてしまうが、傷の痛みや体の動かし方については明らかに回復しているのを感じる。

○予想と違ったこと

 当日に退院させるところもあると聞いていたのでだいぶ痛みをナメていたが、普通に痛い。内臓が痛いことってふだんあんまりないので新鮮な痛みという感じ。体重移動をするとゴポゴポ変な音がして内臓が移動するのがわかる……。ある方向を向くとかなり痛いので一定の体勢しか取れず、やや腰が痛かった。

 隣のベッドの人もおそらく同じ手術を受けていたのだが、「あんまり痛くないです」と言っていたのが聞こえたので、個人差が大きいのかも。私が痛みに弱いだけかもしれないが。

 ガスが抜ける時の胸〜肩の痛みも予告されていたのだが、「強めの肩こりのような痛み」と言われていたので「ふーん」くらいに思っていた。が、全然肩こりに似ていなかった。内側から筋肉を金槌でぶん殴られているような痛み。特定の体勢を取ると痛むのでそれを避けて変な動きになる。数日経ってようやく肩こりっぽい痛みに変化してきた。

 また、通常食に戻ってから胃の不調に悩まされた。もとから胃は悪いのだが、絶食後であることに加えて体力の低下により消化のパワーが落ちている。げっぷが出なくて苦しいという感じ。これは今もまだ少し継続しているが、まあそのうち良くなるだろう。

○反省やその他のメモ

・水を2本ほど買っておくとよかった。1本しかなかったので手術までに飲み終わってしまい、看護師さんに給茶器で汲んでもらうはめになった。

・冷蔵庫は貸してもらう必要はなかった。べつに冷たい水でなくてもよい。

・家族には手術終了後に病院から電話をしてもらえたが、他の人にはそうしてもらうわけにはいかない。恋人には「手術終わったら連絡するね」と言ってあったのになかなかスマホを手に取れず連絡が遅れて心配させてしまった。あんまり具体的な日時を伝えても心配させるだけなので、待たないように言っておけばよかった。

・一応仕事の用事を持っていったがまあできるはずもなかった。休むときは休むべき。

・痛み止めの点滴は我慢せず入れてもらうほうがよい。また、飲み薬をもらうとき「依存性とかはないので、我慢せずしっかり飲んでしっかり動いた方がいいです」と言われた。飲み過ぎを懸念して飲まなさすぎる人も多いのだと思われる。

・たまたまコロナ禍で在宅勤務ができる状態にあり幸運だった。明日から仕事復帰の予定だが、まだ体力が戻っておらず満員電車に乗れる気がしない。また会社の人も嫌な顔ひとつせず休ませてくれ、スケジュールを調整してくれたり何かと気遣ってくれたりして本当に助かった。こういう時に「すべてに感謝」とか言うのだろう。