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卵巣嚢胞手術その後のメモ

 退院から6週間が経ったので、その間のメモをアップロードする。

  前回と同じく、ここに記載したのはあくまで私個人のメモであり、正しさや普遍性を保証するものではないことを断っておく。病気に関する正しい情報は医師に相談してください。

○退院直後

 退院日は「こんなに痛いのに退院して大丈夫か?」と思ったし歩くのも辛かったが、「日増しに良くなる」という言葉のお手本のように痛みは減り体力も戻ってきた。退院2日後は10分ほどの散歩で精一杯だったが、一週間後には片道30分ほど歩いても大丈夫になった。2週間後には片道2時間のオフィスに出社もした(ただしかなり疲れた)。

 この間、傷・内臓の痛みもあったし一定の方向を向いてしか寝られないなどのトラブルもあったが、何より胃腸の調子が悪いのが辛かった。普段胃下垂気味なのだが、胃が上の方にせりあがっていて気持ちが悪いという感覚がずっとあり、怠くて動きたくない、食欲がない、と思っていた。痛み止めを常用していたせいだったのか、痛みがなくなるにつれ改善された。

 最後まで残ったのは息切れ。少し歩くと息が切れてしまい、無視して長時間歩いていると肺が痛くなる。体力が戻らないとはこのことか、と思った。これも2週間後ごろにはおおむね改善していたと思う。

○受診

 退院から3週間後に診察があった。内診でのエコーと傷の触診ののち、病理診断の結果を説明される。チョコレート嚢胞というやつだったら嫌だねという話をしていたのだが、水が溜まっているタイプのもので悪性の心配はなし。よかった。手術中の内臓の写真を見せられて、ふつうに興味深い。「これが子宮で、これが腸ですねー」「ほうほう」「この黒い点が子宮内膜症です」「はーこれが!」と合いの手を入れてしまう。取った嚢腫は8センチ。MRIでは10センチでしょうと言われていたし、同じ病気の人で20センチあったという話も聞いていたので、思ったより小さく感じるが、べつに小さくもないとのこと。

子宮内膜症があるので、これはもう薬を飲んで抑えたほうがいいです」とのことで子宮内膜症について説明を受ける。一応「生理痛は子宮内膜症由来なんでしょうか?つまり、卵巣嚢腫を取ったことでよくなるかというと……」と尋ねると「それはならないですねー」とのこと。がっかり。いろいろ調べる中で、卵巣嚢腫の症状の一つとして生理痛が挙げられていることがあったので、ちょっと期待していたんだけど。とはいえ手術後の生理が非常に辛く、「これ手術後だから?それともピルを飲んでないから? まあ後者だろうな……」と思っていたので覚悟はしていた。

○傷口

 臍から器具を入れるので、場合によって臍の形が変わるかもしれませんと言われていたが、結果的には変わらなかった。(たぶん。というのも、自分の臍の形を詳細に覚えているわけではないので)

 退院後は臍の中が内出血していた上なんとなく黒っぽい汚れのようなものがついていて触るのが怖かった。毎日風呂に入るうちに汚れは概ね取れたが、一ヶ月後くらいにふと触ってみたらかなり臭くてショック。オリーブオイルをつけた綿棒で優しく拭う。あまり深追いして傷口に対面するのが怖いので、まだ入り口のあたりしか拭えていない。

 臍以外の傷口もかさぶたが入れ替わり、かなり目立たなくなってきた。触るとでっぱっているのが分かるが、もう何回か皮膚が入れ替われば、少なくともぱっと見にはわからなくなるだろう。

○走れない人として

 痛くてよちよち歩き、ないしちょっと歩くと息切れするという状況の間、「いま走らないといけない事態になったら詰む……」という考えが何度か頭をよぎった。交通事故を目撃して手助けする必要が生じるとか、包丁を持って追いかけてくる人がいるとか、そういう事態になっても何もできない。見た目は普通なので「なんで助けないんだよ」「なんで逃げないんだよ」という感じにもなるだろう。

 幸いどんな異常事態も起こらなかったが、そういうふうに動けない人、しかもぱっと見動けないようには見えない人もいる、という当たり前のことを再確認した。障害がある人や体力のない人も身近にいるのに、自分がなってみる前まではこの危機感をきちんと持てていなかったなと情けなく思う。若くて健康な私は非常事態になったら動かねばならぬ。天災や事故に備えてイメトレもしなければならぬ。がんばるぞ。

○その他

・入院〜退院後動けない期間がちょうどクッキングパパの無料公開期間だったので300話くらい読んだ。疲れた。

・退院直後は体重が2キロ減っていたがすぐ1キロ戻った。そのあとは測っていない。嚢腫が1キロあったと信じて生きていこうと思う。

MRI、紹介状、術前術後の診察・検索、入院・手術、細々とした買い物、交通費、など諸々ひっくるめて負担額は8.5万くらいだったと思う。窓口負担は事前の申請で減らせることがある。「限度額認定証」とかで検索しよう。