好きなことの話

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16歳と24歳の話

25歳になった。

思いおこせば16歳のとき、「あ、私にぴったりの年齢だ」と思った。14歳も15歳も私の体に馴染まなかったけれど、16歳はぴたっと私にはまった感覚がした。16歳のイメージと、16歳の自分が合致していたんだろう。

そして、16歳はほんとうに楽しかった。高校1年生から2年生。夏休みに映画を撮ったり、演劇部でふざけまくったり、悪口の間で揺れたり、私が16歳でやるであろうことはだいたいやった。17歳になったとき、ボーナスタイムが終わったような気持ちがしたことを覚えている。それから18歳になっても19歳になっても、あのぴたっとくる感じはしないままだった。

それで、24歳が終わったいま、25歳のぴたっとこなさにびっくりしている。16歳ほどでなくても、24歳は私にぴったりの年齢だったようだ。仕事をして、本を読んで、少しだけ小説を書いて、新しい人と会ったりして、あんまり頑張らないけど無気力ではなくて、けっこういい一年だったような気がする。

これからの人生であと何回か、こういうぴったりの年齢がやってくるのだろうなと思う。たぶん30代や40代で。そのための準備を、ぴたっとこない25歳や26歳ですることになるんだろう。ぴったりこないなりにいい一年にします。